
阪急バス株式会社
豊中営業所に配属された日産ディーゼルスペースランナーPKG-RA274MANワンステップ。同社初のSCRシステムを採用しており、営業所
への尿素水タンクの設置は今後の課題
阪急電車と同じ落ち着きのある緑茶食のシート表皮や茶色い吊り輪が目を引く車内。ただしノンステップバスのシートは最新車からNS標準仕様の青系になり、乗客の感じる印象は大きく変わった
運転席から見たミラー部
阪急バスの2007年度新車は75台。内訳は高速路線車4台のほかの。71台が市街地または郊外用の一般乗合車で、年度末にかけて順次導入が進められる段階にある。ここでご紹介する車両は10台が豊中・向日・豊能の3営業所に配備された日産ディーゼル大型車で、尿素SCRシステムを採用して最新排出ガス規制に適合したPKG-RA274であり、阪急バスでは初めて採用される型式である。
10台はいずれもワンステップ車で、向日営業所の2台は短尺車のK、ほかの8台が中間尺のMだが、豊能営業所の5台は途中に延長5.6kmの長大なトンネルを有する箕面グリーンロードを経由して箕面森町に形成される住宅地への足として活躍するため、2人掛けシートを40席まで増やした仕様である。
阪急バスでは2007年10月末現在ノンステップ車が198台在籍し、今年度の新車も22台を採用した。しかしワンステップ車に比較して車両価格が高いこと、乗降性は良いが車内に段差があること、定員が少ないことなどの理由で、補助金などの支援がない路線ではワンステップ車を採用している。一方でワンステップ車は車内レイアウトがすっきりしていること、汎用牲に富む反面、中扉部の車椅子乗降用スロープ板の傾斜が急であること、車両最後部のデッドスペースが大きいこと、中扉から後方に乗客が進みにくいこと、シートピッチが狭いことなど、従来の前後式ツーステップ車に対するデメリットを感じているという。また近年のメーカー標準仕様に対してはコスト削減に反映されることを期待するとともに、発注仕様の選択肢が限られているため、仕様策定が楽になるなど肯定する面がある一方で、設定仕様には事業者が培ってきたアイデアや工夫が反映されていない面が多く、燃料タンクの位置の制約など機能面で使いにくい部分があると感じている。
[内外装]今回は優先席を前向きにしたが、山間路線などでは横向きよりも居住性が良いことと、横向きの場合は優先席の前に立ちづらい点が解消できた。なおノンステップ車についてはKS標準仕様のとおリ横向きを採用している。
左:側窓のロールカーテンは近畿圏の路線バスでは伝統的な装備
右:通路部最後部のトランスミッション部の点検扉。こうした部分の造作は西工のきめ細かさが示される。なお床材は茶系だが、次期車からNS標準仕様と同等のものを採用する予定
阪急バスとAT車
トルコンAT車はメーカーが設完している車種に関しては積極的に採用を考えており、いすゞLV、日野KV、日産ディーゼルRMでアリソン製が台数を増やしている。選択の理由は2006年1月に行ったデモ車による試験走行の結果が良好で、かつサービスは地元で長年交流がある関西ディーゼルがアリソンジャパンの代理店となり、担当する体制に信頼がおけるからという。燃費はMT車と同等、山間路線ではかえってAT車の方が良い燃賞を出している例もある。なおドライバーによる燃費のばらつきがないといわれるATだが、実際は運転の仕方によって燃費の差があり、AT化率が高い営業所などで経験を積むドライバーが増えるにつれて、燃賀はさらに改善されることが期待されている。
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