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コマーシャルモーター 2007年10月号

アリソンの製品群。 一番上は主力製品、中型トラック/バス向け1000/2000モデル。大型トラック向けの3000モデル (左上)、4000モデル(右上)と、大型バス向けのTモデル(下)、建機向け製品を揃える

トルコンA/Tのアリソン

  1997年より、ゼネラル・モーターズ(GM)とアイシン精機は日本での商用車向けオートマチックトランスミッション (A/T)事業を合弁会社・アイシンGMアリソンにて展開していたが、このたび契約期間満了に伴い、今年8月1日より 「アリソンジャパン株式会社」として新たな一歩を踏み出した。アリソンは世界のトルコンA/T市場で圧倒的なシェアを誇る。

 その一方、わが国の商用車におけるA/T普及率は、わずか3%程度。乗用車は約9割がA/T車で、トルコンA/Tの扱いやすさや利便性は誰もが理解しているはずなのに、商用車での普及がこれほど遅れているのは少々奇異に見える。同社では今後、商用車向けトルコンA/Tの一層の認知度向上を図り、数年以内にまずは5%程度のシェア獲得を目指す考え。

  アリソンの製品ラインナップは、中大型トラック・バス用A/Tの1000/2000/3000/4000シリーズと、バス専用A/Tであるトルクマチック、建機用トルコンを揃え、商用車すべてをカバーする。

国内A/T車の見通し

 アリソンジャパンの国内トラック・パス向け販売実績は、2006年で2,734台だった。 これはわが国のトラック・バスの販売台数のうち、わずか約3%にすぎない。しかし、今後はこれが上昇していくであろうとの見通しを持っているという。その根拠は次の通り。

  まず、A/T限定免許取得者の増加。2004年には約39%の入がA/T限定免許を受けており、年々その割合は増加している。 その一方、新規に免許を取得する人は減少している。

  2つめの理由は、ドライバー不足と高齢化だ。ドライバーの平均年齢は、全日本トラック協会調べでは40歳を超え、今後も高齢化傾向が続くと言われている。そして2020年には40万人のドライバーが不足し、パート労働者への依存度が高まると予想されている。さらに、運転に不慣れなパート労働者の増加、ドライバーの全体的な高齢化によって、事故件 数の増加が懸念される。

  こうした将来のトラック業界の中で、運転のしやすいA/Tの商用車需要は大きく伸びると考えられている。同社としては、まずはシェア5%を目指すが、さらなる拡販も充分に可能だと予測しているという。

意外にも燃費のよいA/T

商用車へのA/T車導入が進まない一つの大きな理由は、燃費の問題である。トルコンA/T車はM/T車よりも燃費が悪いというイメージは、多くの人に根強く残っている。と ころが、アリソンジャパンが行った燃費テストでは、M/T車と遜色ない、むしろ良好な結果を出しているという。

たとえば日野FDの6M/T車とアリソン1000シリーズを搭載した5A/T車で、群馬県から長野県にかけての高速道路や峠道を走行したときの燃費データを見ると、M/T車が 5.70km/ℓ 、アリソンA/T車が5.87km/ℓ で、意外にもA/T車の方が良い成績であった。 また、三菱FKのアリソンA/T車を用いて東京湾岸を1周する109kmのコースを走行したときの燃費は、満タン法によると6.15km/ℓ であった。

A/T車の需要が大きいと考えられる塵芥車での燃費計測も、同社で行われた。日産ディーゼルMKのM/T車とアリソンA/T車とでは、M/T車が2.82km/ℓ 、アリソンA/T車が 2.83km/ℓ だった。発進停止の回数が極めて多い塵芥車でM/T車と同等の燃費ということは、"A/T=燃費が悪い"というイメージが完全に過去のものになったと言って良いだろう。

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