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月刊モータービークル2007年1月号

■INTERVIEW
CNG車のトルクを余すところなく引き出す
Pレンジ&ロックアップ機構付AT
アリソン"S1000シリーズ"によるコストメリット

 アリソントランスミッションをセールス・サポートする、アリソンジャパンが国内に設立して30年。現在は、アイシン精機とGMアリソンの合弁会社として品川区に本社を置き、アリソントランスミッションを使用ずるユーザーサービスに務めている。アリソントランスミッションの会社白体はアメリかインディアナ州にあって、1915年に設立したオートマチックトランスミッション(AT)を専門に扱う会社。年間の生産台数は約35万台。主として商用車用のATを生産する会社である。取り扱う機種は、日本では3,5t積車から4t積超の大型トラツクをカパーしている。また、その対応機種として、"S100Q/2000.シリーズ"は、中・小型トラック・バス用に向けた製品。今回の新型「コンドル・MK」CNG車に搭載しでいる
のが、この"S1000シリーズ"と呼ばれている機種である。

 また、このタイブはすでに22万台が生産され世界市場に向けて出荷された実績をもっている。次に、"Tシリーズ"、このタイプは大型バス
専用モデル。また、"3000シリーズ"、このタイプは大型トラック用として15t積みクラスに搭載。また、"4000シリーズ"、このタイプは日産ディーゼルの除雪車などに用いられる大型トラック用のATシステムとして広く採用されている。

今回は、日産ディーゼルの中型トラック「コンドル・MK」CNG車に搭載された、 Pレン'ジ&ロックアップ機構付5速ATの話題を中心に、アイシンGMアリソン(AGMA)(株)技術部の江藤聖一部長とOEM営業部の芝崎美幸課長に話しを聞いた。

アイシンGMアリゾン(株)
OEM営業部課長 芝崎 美幸さん

「"S1000シリーズ"では電子学習制御システムを搭載したことで、イージードライブ性能も大きく進化しました」

本誌 国内市場に進出して30年と聞きますが、アリソントランスミッションの採用実績についてご紹介頂けませんか。

柴崎 昨今の国内市場環境はイージードライブ化に注目され、カーゴ系では、CNG車を推進する佐川急便(株)をはじめ、多くのカーゴ系運送事業者が採用しています。また、塵芥収集車については、各白治体が採用して需要全体を加速させています。さらに、路線バスは、ATの特性を生かした車種として、クラッチの損傷発生による交換に要するコスト面と、時間的ロスを省くという理由から、お客様のニーズが強い車種として注目されている商品です。
 一方、特殊車両については、主に消防車になりますが、緊急性を要する車両ということもあり、大型、中型を含めてATニーズには安定した需要が見込まれております。また、販売実績では、"S1000シリーズ"を℃1年1こ日産ディーゼル工業(株)が最初に採用しており、以後'05年の実績で年間1000台以上。その中で日産ディーゼルへの販売実績は「コンドル・MK」の"Sl000シリーズ"だけで100台以上が採用されています。内訳は、バン、カーゴ、塵芥収集車、ダンプ、クレーン、消防車など採用車種は多岐にわたり、さまざまな二一ズに対応した商品となっております。また、海外向けでは、北はロシアから南はアフリカまで100万台以上の実績をもち、まさに世界一の実績を誇る商品となっております。

本誌 「コンドル・MK」CNG車に搭載している"S1000シリーズ"の特徴について紹介頂けますか。

芝崎 "S1000シリーズ"は、2速からロックアップする電子制御5速ATの機構ですが、トルクコンバータは1速のところに付いていてトルクを増幅して伝達し、それ以降は基本的にメカニズムで通常のMTと同じ構成になっております。つまり、ギヤを使って自動的に変速していくシステムとなっており、2速からの構成はロックアップすることで、燃費についてもほとんどロスのない機構となっております。さらに、同クラスでは初のパーキングレンジ付であることが挙げられますが、これはお客様からの要望である安全面からパーキングレンジを"S1000シリーズITに設定されたものであります。
 最大入力馬力は224kW、トルクは780N・m、重量(乾燥)150kgの実力は、過去10年前のATに比較して大きく改良された点です。とくに、通常のMTとは重量においてもサイズにおいてもほとんど遜色のないものになっております。また、コンピュータによる学習制御の機構を搭載しており、従来の油圧制御システムによく見られた、イオンが上昇してコントロールが難しくなる傾向があり、トラブル要因となることもありました。それを払拭するため"S1000シリーズ"では電子学習制御システムを搭載したことで大きく進化させております。また、塵芥収集車やダンプなどには必需となるPTOを25kgまで搭載可能にしたこと、 ATFに100%化学合成のトランジットオイルを採用したことで、オイル交換のインタ
ーバルが長くなり、ほとんどメンテナンスフリーに近い機構になっています。

GMアリソン本社・工場(米国インディアナ州)

本誌 次世代を想症したATのようですが、ドライバーにとってメリットとなる部分を紹介頂けますか。

芝崎 中型トラックでありながら、乗用車と全く同じ運転感覚で操作できることが挙げられます。これは昨今の再雇用問題や、女性ドライバーの雇用に貢献できること、さらに、疲労の軽減により安全面にも寄与できると考えます。また、シフト制御が滑らかで、コンピュータ制御により学習機能をもったことで、走行条件に適した走りと、エンジンとトランスミッションに対しても最適な走行環境を実現するとともに、シラトショックをマニマムに制御しています。また、パーキングレンジをもったことで、運行上の安全が重視されるとともに、トルコンによる発進性の向上を図ったことにより、トルクの切断がなく、また、トルクが倍増したことで、悪路からの脱出にも力強い走行を可能にしています。また、"S1000シリーズ"は「安心安全」に大きく貢献したシステムだと自負しています。

本誌 ''S1000シリーズ"の特徴として、ドライバーへの「安心安全」にあることは理解できましたが、ユーザーのコストメリットの部分を紹介頂けますか。

芝崎 従来のATは燃費が悪いという印象は少なからずあったと思いますが、"S1000シリーズ"は2速からロックアップする機構をもったことで省燃費(日デ実験値、MT比2〜3%の差異、Pモード・Eモード有り)を実現しています。また、ドライバーのスキルによるバラツキを少なくすることで省燃費効果が得られていると思います。イニシャルコストに関しては、"S1000シリーズ77は、ライフサイクルコスト、つまり、管理やメンテナンスコストが削減されるため、クラッチ交換不要や、オイルフィルターの定期交換だけで済むなどコストメリットも大きいと思います。
 たとえば、初回の8000kmでカートリッジ式のフィルター交換、それ以降は一般用途で4年に1回、または、48万kmでのオイル交換(約10ℓ )とフィルター(1000円)交換で済みます。それに対してMT車の場合は、一般車の場合で、オイル交換2年に1回(4000円)及びクラッチ交換3年に1回、これを仮に3年半で実施しても約22万円の維持費がかかります。
 信頼性、サービス性については、アリソンの場合、全世界で年間22万台の販売実績があります。また、日本でも毎年1000台以上を販売している全国のアリソンデーラーがサポートしています。つまり"S1000シリーズ"搭載時のコストメリットは大きいと白負しております。

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