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月刊モータービークル2007年11月号

注目される"1000シリーズ"の実力
PTO装着車に有利なミッション

  国内市場のアリソンATの中で最も多く搭載されている"1000シリーズ"は7台用意され、その内訳はアルミバン車、塵芥収集車、ダンプ車、クレー ン車、起震車と多種多様な車両がスタンバイされていた。

  それはAT自体を試すには絶好の機会であった。"1000シリーズ"についてアリソンジャパンの説明によると、パーキングレンジによる安全性とPTOの操作性を挙げている。 

AT車(右側)とMT車(左側)で加速を競う"ゼロヨンレース"のデモンストレーションが行われた。写真はスタート前で2台が横一線に並んだ状態

スタートして10m足らずでA丁車が抜け出す(上の写真)。駆動力が途切れないA丁のメリットを発揮、そのままMT車を引き離して(下の写真)AT車が圧勝した

左側が21OOシリーズの中型バス。右側が3000シリーズTタイプを搭載した大型バス。ATならではのスムーズな走りは乗客に無用な疲れを与えない

  確かに、中型車の作業状況におけるパーキングレンジの効果は安全性を向上させる意味においても大きい。また、PTOの取り出しには"1000シリーズ"のもつ2速ロックアップ機構が作動することで滑らかな取り出しを可能にしている。また、マニュァルトランスミ ッションの場合、PTOの切り替え時に一旦ニュートラルレンジに切り替えないと次の工程(オン・オフ)に切り替えられないのが、アリソンの"I000シリ ーズ"にはレンジ操作を判断してPTOのオン・オフを白動的に行う便利なシ ステムを装備しており、マニュアルミッションでは行いがちなPTOを入れたまま発進するということはない。しかし、トルコンATの場合のPTO作動時 の騒音においてはマニュアル(MT)に対して多少大きくなることは否めない。

 一方.エンジンとのマッチングにおいては、各自動車メーカーの車両の もつ性能によって若干の違いはあるものの動力性能、燃費、乗り心地な どを満足させるうえで"1000シリーズ"はそれのエンジン出力に対応してのトルクコンバータ容量とギヤ比をマッチングさせることが重要であ り、適宜最適化が図られている。しかし、今後きびしさが予想される省工ネ対策として大容量のトルクコンバータと小ギヤ比が組み合わされる傾向 も考えられる。その一方で、さらに省燃費と加速性能を両立させるためにスリップ率を中間域のコンバータ効率が改善されるようにも思える。

  これまで"1000シリーズ"は国内市場が特殊作業車に特化していた部分が多かった。しかし、本来の使用頻度からみても集配車への期待に応える必要がある。そのためにも"1000シーズ"のもつコストメリットの大きい部分を理解される必要がある。また、省燃費を図る上で多段化(6速)することを期待したい。

プッシュ & プル戦略で拡販2012年に5000台超目指す

  アリソン試乗会のプレゼンテーションであいさつに立ったアリソンジャパンの山田勉社長は、契約期間満了に伴うアイシン精機との合弁事業解消およびGMのアリソン・トランスミッション部門売却による組織体制 & 社名変更(8月1EI付でアイシンGMアリソンからアリソンジャパンへ社名変更)の経緯を 説明したあと、今後の展開について「事業としてはいままでと何ら変わるところはない」と前置きした上で「商用車のAT普及率は2〜3%の間で推移しているが、シャシメーカーへのプッシュとエンドユーザーの二一ズを引き出すブルの"プッシュ & ブル"の営業活動を推進、さらに全国8か所のサービス拠点を生かしてアフターマーケットのサービス強化に取り組むこと愈どによって、AT普及率5%を目指したい。普及率が5%台に乗れば、足踏み状態が続いているAT普及は一挙にブレークスルーできると期待している」と述べ、当面の販売目標として2012年段階で国内販売台数5,000〜6,000台を見込んでいることを明らかにした。
新たなスタートを切った山田社長との一問一答は以下の通り。

プレゼンテーションであいさつに立つ山田社長。アリソン・トランスミッション設立の由来から説き起こして技術力の高さを強調するとともに、 「AT普及率5%に達すれば弾みがつくと思う」と今後に期待を寄せた

―― GMグループから離れたことによる事業 展開の影響は。

山田 基本的な取り組みとして何ら影響を受けない。GMの冠が外れたことで企業としてはニュートラルの立場になり、相手を選ばずどのメーカーに対しても売り込めるという意味で事業展開が行いやすくなったと考えている。私としてはチャンスと見ている。実際間題として多くのアナリストはGMがアリソン を売却したことで、アリソンの企業展開が有利になったという見方をしている。 ――製品のラインアップがバッティングするアイシン精機との合弁事業解消の影響については。

山田 アイシンは小型トラックの分野、アリソンは普通トラック分野を自分のフィールドとしており、競合と呼ぶほど製品のバッティングはない。一部の車両分野で競合関係は存在するが、適正な競含は相乗効果を期待できるため、AT普及促進という観点から前向きにとらえている。

――日本市場におけるAT普及は価格の問題が大きなファクターになっている。価格戦略の考え方は。

山田 アリソンは年間25万台を生産しており、価格はその生産規模を前提に設定している。高いか安いかはユーザーの値頃感もあるが、価格問題に関連しては付加価値の高い製品を供給している点を強調したい。

――CO2削減でハイブリッド車が注目を集めている。アリソンはハイブリッドトランスミッションをもっているが、国内展開のお考えは。

山田 ハイブリッドトランスミッションはアリソンの技術の高さを証明する製品のひとつであり、米国ではすでに600台の販売実績をもっている。日本ではシャシメーカーが独自に開発を進めており、取り組みとしては難しいものがある。まず、ハイブリッドトランスミッションの良さをメーカーおよびエンドユー ザーに知ってもらうのが先決であり、来年以降、デモ車を導入して体感してもらう方向で現在検討を進めている。

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