
試乗した2007年式日野レンジャーとその車内。乗用車とは一味違ったデザインのセレクターは、頑丈そうなカバーで保護されており、ポジションインジケーターはメータークラスターに設置されている
マッチングは良好
いくら操作牲が良くても、シフトタイミングやショックに難があっては。せっかくのメリットも色槌せる。しかし実際に走っての感触はレンジャーとファイターのいずれも良好で、定積状態でATの負荷はかなりのはずなのに、加速時でもそれを感じさせない滑らかな変速を行った。ECOモードでは、常にグリーンゾーン内でシフトアップしていくが。5速という多段ミッションの効果もあるのだろう。何重にもかかわらず加速ぶりに難はなく、滑らかだ。急加速も問題ない。横浜横須賀道路の比較的短い合流路ではアクセルを床まで踏み、できるだけ車速を上げる必要があった。その場合、ATは「ドライバーは加速しようとしている」と判断し、グリーンゾーンを越えてもギヤ段を維持し、粘って変速を行った。シフトショックは若十感じるが、トルコンATは変速時でも高トルク域から回転が落ちないので、加速も意のままである。減速時も同様で、速度が落ちるとギヤも白動で下がるが、シフトショックがあまり感じられないのは優秀。また山道の下りなどでも、排気ブレーキと自然なシフトダウンの効果で、違和感なく運転することができた。エンジンとの相性が良いのと同時に、チューニングにはだいぶ手をかけたのではないだろうか。
加減速ともMTの場合はドライバーの腕によってシフト具合が左右され、また近年改良が進んでいる機械式ATもかつてより良くなったとはいえシフトショックは大きく、やはり滑らかさではトルコン式ATの方が秀出ているのは間違いない。
試乗した2006年式三菱ふそうファイターとその車内。ATセレクターは乗用車に付いているような一般的な形状をしている。ストロークは長めだが、AT車はあまり操作する必要がないで問題ない
熟練ドライバーのクラッチワークは惚れ惚れするものがあるし、趣味で乗る目動車ならばMTも楽しい。しかし様々な荷物を積み、刻々と変わる交通状況下で運転するのならば。より安全に気を遣うことができるAT車の方が良いのは間違いない。スムーズということはドライバーの疲労も減るし、荷崩れ・荷痛みも減らせるだろう。戸回の試乗を通じて得た感想は、やはり仕事のクルマにはATが良いのでは、という結論である。
キーを受け取るとすぐの出発となった.車両はいずれも外観からはAT搭載車とわからず,ドアを開けて初めてATということがわかる。ドライバーの左側,通常のシフトレバー位置に収まっているATセレクターは、よく見かける乗用車用ATと同様にP(パーキング)レンジやOD(オーバードライブスイッチ)の付いたもので、操作方法に戸惑いはない。エンジンを掛けてブレーキを踏みつつDレンジにシフトすると準備完了となるが,実はもうここでATならではのメリットを享受している。というのも、レンジャーとファイターのMT車ではシフトパターンが異なっているからなのである。通常の発進段である2速が、レンジャーは左下なのに対してファイターは上となっており、パターンを確認せずに「慣れたポジション」に押し込んでしまうとローまたは3連の可能性もある。ATならば直線の上下だけなので間違えようがない。複数車種を取り揃える事業所や,たまにレンタカーで使う場合などを考えるとメリットの大きさが理解できよう。
アリソンのトルコンAT試乗会
8月30日,東京・晴海の2016年オリンピック会場予定弛で、アリソン製トルコンATを搭載したトラック・バスの試乗が行われた。アリソンは90年以上の歴史を持ち,日本では1972年に法人を設立。1997年からアイシンと合弁でアイシンGMアリソン(AGMA)として活動、このほど契約期間の満了によりアリソンジャパンとなった。同社は1929年以来アメリカ・ゼネラルモータースのパワートレーングループの一員だったが、この8月にカーライルグループなどの投資会社に売却されてGMグループから離脱した。アリソンは年間約25万台のATを生産しており、今年6月には累計生産台数500万台を記録した。世界の商用車AT(GVW8トン以上)の約80%を占めており、日本でも国内商用車メーカー4社にATを供給するなど、中・大型車用ATの多くがアリソン製であるという。しかし日本では商用車のAT比率が極めて低いため、シェアとしては全体の数%程度にすぎず,まだまだ成長の余地が大きいとしている。
アリソンがラインアップしているATは車両サイズに合わせて5種類あり、中型トラック・バス用1000/2000シリーズ(日野レンジャー、日産ディーゼルコンドル、三菱ふそうファイターなど)、大型バス用Tシリーズ(いすゞエルガ/日野ブルーリボンIIなど)、大型トラック用3000シリーズ(防衛庁向けいすゞトラック)同4000シリーズ(消防車や除雪車などの特装車に搭載)となる。
トルコンATのメリットとして,同社では容易な操作性と滑らかな乗り心地を掲げる一方で、弱点とされてきた燃費についても、電子制御や学習機能の付加によりMTと遜色のないレベルまで改善したという。トルコンATは変速時の動力の断接がないため、車両の加速に息つき感がなく、急なトルク変化がないので車体の揺れが抑制できる。また近年増加しているターボ付エンジンに組み合わせた場合、ATはターボが途切れずに高トルク放(L300〜1,600回転)を維持できるが、MTや機械式ATでは変速時に駆動力が切れてしまい、高トルク域に復帰するまでに時間を要してしまう。
日野プロフィアのフードサービス(空港ケータリング)車、GVW25トンの大型車に4500シリーズATを搭載する
今回の試乗会は,ATを搭載した車両のハンドルを握ることで、MTや機械式ATに対するトルコンATの優位性を体験してもらうねらいがあり、トラック11台(三菱ふそうファイター、日野レンジャー、日野プロフィア、日産ディーゼルコンドル、いすゞフォワード(比較用スムーサー搭載車)とパス2台(日野ブルーリボンIIおよび日野HR)が登場した。これらトラックには3台のごみ収集車をはじめ、ダンプや起震車,空港ケータリングサービス車など様々な架装がされており、AT車の用途の広さを印象付けていた。
AT車の取扱いの容易さや、発進・加速の優位性を示すプレゼンテーションでは、全長約200mの直線路を、荷物を積んでほぼ同じGVWとしたファイターMT車とレンジャーAT車を同時に走らせ、ゴールを競った。この際AT車のドライバーには報道陣の中から普段あまり運転しない人が指名されたが、同時に発車し
た2車は発車後間もなく距離が開き始め、AT車が差をつけてゴールするなど、誰でも効率よく運転できるAT軍のメリットが示された。また試乗会場には、発進停止や直角コーナー、車庫入れなどを配置したコースが設定された。参加者はこのコースをごみ収集車やバスなど「街中で頻繁に発進停止をする車両」で走行し、ATの使いやすさを体感することになった。
レンジャーのAT車とファイターが「よ〜い、ドン!」で一斉に走り出す。AT車の方が出足も良く変速時のロスもない
見る見る間に差が開き、200mの]一スを半分も走る頃には車体で1台分近く差が開いた。最終的に、MT車に車体1.5台分以上の差をつけてAT車が悠々とゴールイン
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