
- より多くのプ回ドライバーにアリソンATの魅力を伝えたい
- アリソンジャパン株式会社 代表取締役社長山田勉氏に聞く
- 山田勉(やまだ・つとむ)氏
1968年4月,アイシン精機入社。
1981年,アイシンUSA・デトロイト所長、1991年,アイシンヨーロッパ社長、2001年,アイシンGMアリソン社長を歴任。
2007年8月,アリソンジャパン社長に就任。
2つの大きな変化を受けて
私共アリソンジャパンは2007年8月1日から、新たな組織でスタートしました。これまで私共はアイシンGMアリソンの社名で、アイシン精機とGMアリソンの合弁会社として活動してきました。アイシン精機との合弁は10年にわたりましたが、2007年に合弁契約満了となるため、以前より準備を進めてきたのです。しかしここにきてゼネラルモーターズ(GM)がアリソンを売却することになりました。これは現在アメリカ本国の市場で日本車などに押されているGMの浮揚策の一つであり、国際的に大型車用オートマチックトランスミッション(AT)で圧倒的なシェアを誇るアリソンを売却することはGMに大きなメリットがありますが、果たしてアリソンは2つの投資会社に日本円にして約7,000億円で売却され、独立系のATメーカーとなりました。
アリソンは創業以来50年以上にわたってGMの一部門でしたが、グループ内では優良企業として発展してきました。そのためアリソンの実力は世界が知るところであり、独立後も何ら不白由はないと見ています。私共の場合、アイシン精機との合弁解消とGMからの独立という大きな2つの動きが偶然にも重なったわけですが、これからは独立系サプライヤーとして、従来以上に各白動車メーカーと深くお付き合いできるものと考えています。
3年後の目標は年間5,000台
私共は1972年に日本での活動をスタートして以来、GVW8トン以上のトラック・パスのAT化一筋に取り組んできました。しかしそれは必ずしも、実績の伴う歴史ではありませんでした。これは大型車がプロの乗る生産財であるため、プロドライバーの技量を反映しやすく、かつ燃費や購入コストなどで有利なマニュアルトランスミッション(MT)が好まれてきたこと、初期のATを採用された事業者の中には現在も当時の燃費性能などにマイナスイメージをお持ちのケースがあること、さらにMTや近年普及を始めた機械式オートマチックトランスミッション(AMT)が主にメーカーの内製であり、営業面で内製のものをより強く拡販する傾向があることなどが理由ととらえています。しかし基本的にプロドライバーの二一ズに国境はないはずですし、何より日本では乗用車のAT化が9割を超えています。通勤やプライベートでAT車に乗るプロドライパーには、職場であるトラック・パスのAT化を望む方も大勢おられるでしょう。さらにドライバーの高齢化や女性の進出に対して、運転操作の楽なATはこれから欠かせないアイテムと思います。
2006年に私共が販売したATは6,014台で、そのうち国内向けは2,162台(トラヅク1,780台,パス382台)、輸出向け(国産シャーシーに搭載して輸出)は3,852台でした。輸出向けはともかく、国内向けはGVW8トン以上のトラック・バス年間需要(約10万台)のわずか2%にすぎません。これに対して2010年には年間5,000台、全需の5%のシェアを握ることを目標に掲げました。
各地で展開する「プッシュ & プル」セールス
この目標を達成するため、私共では「プッシュ & プル」セールスを展開しています。「プッシュ」とは大型車メーカーへのアプローチであり、車両の改良などを機にアリソンATの設定をしていただくよう、常に働きかけています。一方「プル」とは事業者・ドライバーなどお客様への直接的アブローチで、その代表的なものが「ライド & ドライブ』と銘打った試乗会です。これは各地の新車ディーラーの協力を得て、私共が保有するAT車やお客様のもとで稼動するAT車、さらには比較用にMT車やAMT車も用意して、来場された方々にAT車を体験していただくイベントです。またアリソンATは特に市街地で頻繁な発進・停止を操り返す用途に適し
ているため、ごみ収集車をはじめとする作業車に採用される比率が高いのですが,『ライド &ドライブ』ではこの種の作業車も用意しています。なお『ライド & ドライブ」の規模を拡大したものに、8月に東京・晴海で開催した試乗会(27ペ
ージ)や、海外のアリソン法人と違携したオーストラリアなどでの試乗会(本誌No.31参照)などがありますが、いずれのイベントでも運転が楽でシフトショックが少なく、かつ路面状況にかかわらず発進性に優れるアリソンATの魅力を知っていただくとともに、クラッチ交換が不要でトータルコストが低いというATのメリットも訴求しています。これらのイベントでは「トラックにATがあったのか」と、 AT車の存在を初めて知るお客様もおられますので,今後ますます力を入れていきたいと思います。
これと併せて、各地のサービス網を活用した「プル」セールスも進めています。私共は本社を東京に置いていること、またスタッフの数が限られていることもあり、札幌・入間(埼玉)・船橋・横浜・名古屋・尼崎・広島・粕谷(福岡)の8都市にアリソンサービス特約店を配置し、ATの販売、パーツ販売、メンテナンスサービスを行っています。また東北・関東・東海・北陸の各地方には計16ヵ所のサービスステーションがあり、メンテナンスサービスを主体に活動しています。これらの拠点は日頃大型車の修理やパーツ販売を行っている企業がほとんどで、お客様の顔ぶれや地域の特性・ニーズをよく把握しているため、ATの販売に力を発揮するケースが少なくありません。こうした拠点の活用は今後さらに重要になってくると思われ、現在拠点の限られている西日本地区も順次充実させていきたいものです。
停止の多いごみ収集車はアリソンATが数多く活躍ずる分野である。アリソンの試乗会で
確かめてほしい卓越した性能
このほか大手・中堅のトラック事業者やバス事業者には私共が直接うかがうセールスを進めており、成果を見せつつあります。バスの場合、ATは特別仕様のコンポーネントとしてメーカーに納めることから,お客様の名前も台数も把握できるのですが、トラックの場合はOEM供給品としてメーカーに納めるため、お客様を把握するのが難しいことがあります。現在、アフターサービスを充実させ、かつリピーターを増やすためにもお客様のリスト作りに取り組んでいます。
アリソンATが日本に上陸してから35年,この間にATは電子制御の採用や学習機能のf寸加,各部の改良により運転性能、燃費、メンテナンス性とあらゆる点で飛躍的に改善されました。MTと比較してイニシャルコストが若干高い点は、クラッチなどメンテナンスコストの軽減や若手ドライバーの採用による雇用コストの軽減などにより,車両ライフ全体を見れば十分に"お釣りが来る"と考えています。ぜひアリソンATをご自身で体験していただき,その良さを実感していただけれぱ幸いです。
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